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研究論文

TikTokの政治的動画・コメントを収集した多目的スタンス検出データセット「TikStance」

TikTokにおける政治的動画とその返信ツリーを対象に、動画・コメント単位でスタンス(賛成・反対・中立)をラベル付けした多モーダルデータセット「TikStance」が公開された。トランプ氏・バイデン氏・ハリス氏を対象に161本の動画と13,876件のコメントを収録し、階層的な会話構造と高い注釈者間一致率を備える。

短尺動画プラットフォーム上での政治的言説が急速に拡大する一方、音声・映像情報と階層的な会話構造の両方を保持したデータセットは乏しく、計算社会科学的な分析の障壁となってきた。こうした課題に対応するため、TikTok上の政治的会話を対象とした多モーダル・文脈考慮型データセット「TikStance」が提案された。

データセットの概要

TikStanceは、2024年の米大統領選挙サイクルにおける主要3人物――ドナルド・トランプ氏、ジョー・バイデン氏、カマラ・ハリス氏――を対象に、2023年9月から2025年1月にかけて収集された161本の動画と13,876件のコメントで構成される。各「議論ユニット」は、ホスト動画とそのメタデータを、親子関係を持つコメントツリーと結び付けており、動画と会話文脈の両方を踏まえたスタンス分析を可能にしている。

注釈手法と品質

すべてのデータ項目は3人の注釈者によって独立にラベル付けされ、「賛成(Favor)」「反対(Against)」「なし(None)」の3クラスで、動画・コメントそれぞれについて対象(ターゲット)に対するスタンスが評価された。意見が分かれた項目は再注釈され、最終的なKrippendorffのα係数は、トランプ・バイデン・ハリスの各サブセットでそれぞれ0.743、0.723、0.722に達し、高い信頼性が確保されている。

分析結果と意義

記述統計分析からは、対象人物ごとにスタンス分布や会話の深さに差異があることが明らかになった。また、ネストされた返信(返信への返信)が全コメントの23.3%を占めており、TikTok上の政治的議論が単純な一往復のやり取りにとどまらず、複雑な階層構造を持つことが示された。

TikStanceは、複数ターゲットへの対応、階層的な会話構造、信頼性の高い多層的な人手注釈を組み合わせることで、多モーダルなスタンス検出、政治コミュニケーション研究、計算社会科学、文脈考慮型自然言語処理といった分野の研究を支援するリソースとなる。

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原文ソース

arXiv

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